小学校高学年でも絵が好きになる!水彩筆づかいの3ステップレッスン|スキルアップ美術レッスン1

プロの技を伝授!スキルアップ美術レッスン

小学校高学年になると、周りの友達の描く絵が上手に見えたり、教科書の静物画の質感がリアルに感じられて、絵がうまく描けないと悩むお子さんが増えてきます。「なんか自分の描いた絵って、ちょっと違うんだよな・・・」「自分は絵が苦手なのかも」って思う事、ありますよね。

でも、ちょっと待って!

実はプロの画家さんやイラストレーターさんも、みんな最初は絵の描き方を一つずつ学んで上達して行ったんです。「才能は1%の閃きと99%の汗」まさに、私もそうでした。この言葉にどれほど励まされたか分かりません。

大切なのは、そこで「苦手意識」を持ってしまうのではなく、「もっと知りたい」「もっと表現したい」という気持ちに繋げていくことだと私は思います。客観的に物を見る力は、表現の幅を広げるための重要なステップです。

そのためには、お子さんの興味や楽しいという気持ちを大切にして見守ることではないでしょうか。

このブログでは、”絵が苦手”を”楽しい”に変えるための水彩筆の使い方や塗り方のコツを3ステップで解説します。お子さんが水彩絵の具を使う時に「あっ!そうか」って思うようなヒントやテクニックをこっそりお教えしますね!ちょっとしたコツを知るだけで、グッと表現が豊かになりますよ!

ステップ1:気持ちよく描くためのセッティング

プロの視点:利き手に合わせて道具を配置することは、スムーズな作業の第一歩です。左利きのお子さんの場合は、画用紙に対して左側に絵の具などを置くと、手が描いている部分を邪魔せず、快適に作業できます。私はいつも「筆を持つ手のそばに絵の具セットを置いてね」と言っています。

筆とセッティングの写真

ステップ2:絵筆を自分の手足のように操る!基本の使い方

スキルアップのポイント:筆の特性を知ることで、表現の幅が大きく広がります。

筆には、大きく分けて「平筆」と「丸筆」があります。他にもまだ種類はありますが、小学校高学年ではこの2種類をしっかり使いこなせる様になりましょう。

  • 丸筆:細かい部分の彩色や、柔らかなぼかしなど、繊細なタッチを表現するのに適しています。
  • 平筆:広い面を均一に塗るのに便利です。また、筆を横向きに使うと細い線を描く事もできます。デザイン的な表現にも役立ちます。

平筆と丸筆の違い1 平筆と丸筆の違い2

どの筆も持ち手(軸)に太さを表す番号が付いています。0号の一番細い筆から20号以上の太さまで様々です。

高学年のお子さんの中には、細い筆で丁寧にはみ出さないように塗ろうとする子もいますが、水彩は水を使って描くもの!絵の具の伸びも悪くなり、水の含みも悪くなるため、思い切って大きめの筆を使ってみましょう!

筆は力を入れて下に押すと穂先が広がり、力を抜いて上に持ち上げる様にすると穂先は細くなります。お習字の筆も同じですね。一旦、筆だけで持ち手の上下運動で穂先がどう変わるか机の上でやってみましょう。

筆の力加減1 筆の力加減2 筆の力加減3

ステップ3:綺麗な塗り方でスキルアップするプロの技!

筆は形をよーく知っている!

丸いリンゴは、丸く筆を動かす!四角い箱にはスーッと筆を走らせる!まるでその形をなぞるように塗るのが、綺麗に仕上げるコツです。

筆が色んな方向に動きすぎてしまうと、形がぼやけた印象になります。塗る対象の「形」を意識して筆を動かしましょう。

  • 丸い形は丸筆で、中心から外へ円を描くように
  • 四角い形は平筆で、直線的に丁寧に塗る

丸いものの塗り方 四角いものの塗り方

筆の水分、絶妙コントロール術!

水彩では、水分量が命です。水が多すぎるとにじんだり薄くなり、少なすぎるとボソボソになります。

  • 筆にきれいな水を含ませたあと、筆洗の縁で軽く水切り
  • 広い範囲を塗る時は、まず水だけを塗っておく
  • 筆が乾きすぎていたら再度水を含ませる

小学校では「筆を洗って→拭いて→そのまま絵の具をつける」という指導も多いですが、実際にはもう一度水を含ませてから絵の具をつけることで、滑らかに塗ることができます。

筆の水分をコントロールできるようになると、色の濃淡やグラデーションも思いのまま。まさにプロの第一歩です。

焦らない心と見守ることの大切さ

綺麗に塗るためには、集中力と少しの時間が必要です。「色を置いていく」ような気持ちで、落ち着いて丁寧に取り組むことが大切です。

私自身も小学生の頃、担任に「形は上手だけど塗りが雑」と言われたことがあります。筆先をよく見て、どんなふうに色がのっていくか観察する力も重要です。

保護者の皆さんには、お子さんが真剣に塗っている時は、ぜひそっと見守ってあげてほしいと思います。口出しが多すぎると、せっかくの楽しい時間が台無しになることもあります。

エピソード:絵の具嫌いになってしまった子の話

以前、私の教室に通っていた年長の男の子は、前の教室で「筆の水切りは3回振る!」と厳しく言われていたそうです。お母さんも一緒に「1・2・3!」と振っていたそうですが、それが本人にとってはプレッシャーになり、絵の具が嫌いになってしまっていました。

私は「経験が一番の先生」と思っているので、細かく言いすぎることはしません。失敗も学び。違う色を使うときにしっかり洗うなど、基本は伝えながらも、自由に挑戦できる空気を大事にしています。

まとめ|水彩画がもっと楽しくなる3つのコツ

  • 描く前に、道具を使いやすく配置する
  • 筆の種類や動かし方を理解して使い分ける
  • 水分量をコントロールして、表現を豊かにする

「自分は絵が苦手かも…」と思っているお子さんも、ちょっとした工夫やコツで絵を描くのがもっと好きになるかもしれません。親子で一緒に楽しみながら、表現する楽しさを育んでいきましょう。

次回予告

次回の記事では「自分だけの色を作る」「構図の工夫」など、さらに絵を魅力的に仕上げるためのテクニックをご紹介します。どうぞお楽しみに!

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