雨の日や休日、「お家で子どもと一緒に何をしよう?」と悩むことはありませんか。市販のおもちゃも素敵ですが、身近にある紙コップや牛乳パックが、魔法のように動き出す手作り工作は、子どもの好奇心を何倍も刺激してくれます。
この記事では、40年以上にわたり子どもの美術教育に携わってきた私が、お子様の発達段階に合わせた「動くおもちゃ」の作り方を3つ厳選してご紹介します。単なる作り方の解説だけでなく、教室で子供たちが目を輝かせた「魔法の声かけ」や、指先の力を育むためのプロの視点もふんだんに盛り込みました。
読み終える頃には、あなたのお家が楽しい工作教室に早変わり。親子で笑い合いながら、世界に一つだけの作品を作る、かけがえのない時間を過ごせるはずですよ。お子様の「できた!」という自信に満ちた笑顔を、一緒に引き出してみませんか。
「前回の『動くおもちゃ』の記事に、たくさんの出会いをいただき、子供達が自分で作ったものを楽しく動かすために夢中になる姿が目に見えました。そこで、今回は、より身近な素材で、より小さなお子様でも工夫できるものを3つ厳選しました。
【難易度:初級】指先のバネを作る!画用紙で簡単「パクパクおしゃべり人形」

パクパクおしゃべりできるかな?
4歳から5歳頃になると、想像力が豊かになり、ごっこ遊びが生活の中心になりますよね。この「パクパクおしゃべり」は、ただ作るだけの工作ではありません。完成した後に「自分の分身」としておしゃべりできるのが最大の魅力です。
私の教室でも、普段は少し恥ずかしがり屋な子が、このお人形を通すと急に明るくおしゃべりさんになる「魔法のような光景」を何度も目にしてきました。
| 用意する材料 | 役割・活用アドバイス |
| 鉛筆・消しゴム | 下描き用。失敗を恐れず、自由に描くのがコツです。 |
| 色画用紙 | 好きな色を選びましょう。明るい色の方が子供の気分も上がりますよ。 |
| ハサミ | 幼児用。厚い部分は「おたすけマン(大人)」が登場してOK! |
| 装飾用の色紙 | 100円ショップの柄物や、カラーマーカーでも代用可能です。 |
| 太めのマーカー | 目や口を力強く描くのに適しています。 |
✂️「作ってみよう!」
ステップ1:色画用紙を縦半分に折る
折り目は、爪先や指の腹でギュッギュッと「アイロンがけ」をしてくださいね。
- プロの視点:この「アイロンがけ」の強さが、後の「口の動き」を決定づけるバネになります。指先の力加減を学ぶ、とても大切な工程なんですよ。
ステップ2:動物の形を描く
半分に折った状態で、描きたい動物の半分を描きます。難しい時は、「大きな卵の形」を紙の真ん中に描くところから始めてみてはいかがでしょうか。それを半分に折ってみることで、お子さんの理解が深まります。
- プロの視点:耳を丸くすればクマ、尖らせればネコやキツネに早変わり。「お腹を空かせた動物さん」をイメージして、口の部分を大きく描くのが、成功の秘訣です。
ステップ 3:
お口に切り込みを入れる 口にするところにハサミを入れます。ここは、保護者がお手伝いしても構いません。

口の部分は切ってからしっかり折ります
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プロの一言:幼児は、半分に折った紙のどこを切れば良いのかと、分からない場合がよくあります。『ここからここまで切るよ』と印をつけておいてあげると、自分で切りやすいです。
STEP 4:折り目をつけて、切ったところ から、折り曲げてしっかり折り目をつけて下さいね。 半分にしてみた色画用紙を開いて、お口がパクパクします。 口の上下は山折り、それ以外の中心は谷折りです。
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プロの一言:「山折りと谷折りの説明が難しい時は、大人が一度見本を見せてあげましょう。『お口を飛び出させますよ』と声をかけながら、一緒に指で押し出して、コツが掴めます。」
STEP 5: 完了! そして遊ぼう! 目や鼻、くちばし、飾りを描いて、完成です! はじから引っ張ったり、中心に向けて押したりすると、口がパクパクします。
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プロの一言:「『こんにちは!』『今日のご飯は何かな?』とお人形で話してみてください。作った後も長く楽しめるのが、この工作の魅力です。」
【難易度:中級】仕組みへの好奇心を刺激!紙コップで作る「パカパカ人形」

紙コップで作る、お口パクパク人形
幼児期は「動くこと」そのものを楽しみますが、小学校1年生頃になると「どうして動くの?」という仕組みへの興味がグンと湧いてきます。このステップでは、紙コップの丸みと柔軟性を活かした、少し手応えのある工作に挑戦しましょう。
💡先生の知恵袋
紙コップの底を「お口」に見立てるこの手法。実は、空の牛乳パックでも全く同じ仕組みで作れるのですよ。大きな作品にしたい時は、ぜひお家にある牛乳パックでリサイクル工作を楽しんでみてくださいね。
| 工程のポイント | 成功させるためのコツ |
| 底の印付け | 底の真ん中に線を引くと、バランスの良いお口になります。 |
| 側面のカット | 重なった部分は硬いので、無理せず大人が支えてあげましょう。 |
| パーツの配置 | 目を貼る前に、色々な位置に置いて「表情」を試しましょう。 |
*プロの視点:表情の作り方
目の位置をわずか数ミリ変えるだけで、おどけた顔になったり、キリッとした顔になったりします。すぐにのりで貼るのではなく、「どの位置が一番この子(お人形)らしいかな?」と、お子様と一緒に探してみる時間も、立派なアート体験ですよ。
用意する材料
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紙コップ:1体につき1個(模様付きも楽しい!)
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ハサミ:髪の毛やコップの側面を切るのに使います。
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毛、紐、色画用紙:糸や顔のパーツに。
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次剤:のり、木工用ボンド(毛糸にはボンドがおすすめ)。
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目玉パーツ:100円ショップのものでも、色紙やマーカーでも自作OK!
✂️作ってみよう!
| 工程のポイント | 成功させるためのコツ |
| 底の印付け | 底の真ん中に線を引くと、バランスの良いお口になります。 |
| 側面のカット | 重なった部分は硬いので、無理せず大人が支えてあげましょう。 |
| パーツの配置 | 目を貼る前に、色々な位置に置いて「表情」を試しましょう。 |
口の「中心」を決める
紙コップの底に、半分になるよう印をつけます。

紙コップの底に半分の印をつけた画像
側面をカットする
印を目安に、側面をゆっくり切り進めます。

ゆっくり、切り過ぎずに気をつけましょう。
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プロのコツ:紙が重なっている部分は硬くて難しいので、そこを避けてハサミを入れると、あなたの力でもスムーズに切れますよ。
切りすぎに注意!底の厚い部分の手前まで切ります。
3. 土台の完成!
切ったところから、ゆっくりパカっと開いてみましょう。これが「パクパク」の土台になります。
顔と髪の毛の準備
人なら髪の毛、動物なら耳など、作りたいキャラクターに合わせてパーツを見ていきます。

長い髪なら、もっと長いボール紙に巻き付けましょう

真ん中をしっかり縛りました

好きな長さの髪の毛にしましょう
毛糸を手に巻いてボリュームを出します。 真ん中をしっかり縛るのがバラバラにならない秘訣。
顔の土台を貼る
顔の部分に色画用紙や色紙を貼ります。
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ここが難しい!:紙コップは丸みがあり、さらに斜めになっているので、四角い紙を貼るのは少し難しい工程です。

丸みがあって斜めになっている面に紙を貼っていますが、難しいです。
見本では、口からはみ出した部分をハサミで整えました。
仕上げの飾り付け
毛糸をボンドでつけたら、続いて目や鼻をつけます。
*プロの視点:表情の作り方
目の位置をわずか数ミリ変えるだけで、おどけた顔になったり、キリッとした顔になったりします。すぐにのりで貼るのではなく、「どの位置が一番この子(お人形)らしいかな?」と、お子様と一緒に探してみる時間も、立派なアート体験ですよ。

後ろに手を入れて動きもチェックしよう
髪の毛がつくと一気にキャラクターらしくなりますね!
お口の中はどうする?
最後にお口の中を仕上げます。
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教室でのエピソード:「先生、ベロ(舌)をつけてもいいですか?」と子どもたちから楽しい質問が飛び出すこの工程。色を塗るか、紙を貼るか、自由に想像を広げてみてください。
🎭 達成したら「シアターごっこ」で遊ぼう!
後ろから手を入れて動かしながら、物語を作ってみましょう。
指の動きに合わせて、パクパク!命が吹き込まれたみたいです。手や足をつけても楽しいですね。
ヒント: かなり大きさの違う紙コップで「親子」を作ったり、音楽に合わせて踊ったりしました。お家にある素材で、世界に一つだけのお人形劇を楽しんでくださいね。
⭐️【考える工作】
【難易度:上級】アート×科学の融合!牛乳パックで「踊る!ステキなダンサー」
連載の最後を締めくくる3つ目の作品は、さらにレベルアップです。これまでの「口を動かす」動きから進化して、体全体でリズムを取る「踊るダンサー」に挑戦しましょう。仕組みを自ら考え、形にしていくこの工程は、まさにアートと科学が融合した工作といえます。
| 牛乳パック工作のメリット | なぜこの素材が最適なの? |
| しなやかな反発力 | 段ボールよりもバネのような性質があり、ダンスの動きが滑らかになります。 |
| 耐水性と丈夫さ | 接着剤や絵の具を使ってもヘタりにくく、長く遊べます。 |
| アップサイクル | 捨ててしまう廃材を、価値あるおもちゃへ変える学びになります。 |
プロの視点:ダンスを「ステキ」に見せる魔法
完成したダンサーを動かす時、後ろの土台が隠れるくらい「少し大きめ」に体を作ってあげることが、本物の人間のように見せるポイントです。「どんな曲に合わせて踊るかな?」と、好きな音楽をかけて発表会をしてみてはいかがでしょうか。

後ろから土台が見えないように作りましょう。
(1)幼児、(2)小学1年生と、口が『パクパク』動くおもちゃを作ってみました。連載の最後を締めくくる3つ目は、さらにレベルアップ!体全体で『踊る』おもちゃに挑戦します。仕組みを自分で考えて、命を吹き込みます。アートと科学の融合(ゆうごう)工作です。
【さあ、考えてみよう!:仕組みの謎】
こちらの動画では段ボール箱を使っています。動きが硬くてイマイチですね。
「教室で子どもたちにこのダンサーを見せると、みんな目を丸くして不思議があります。皆さんも、まずはこの動きのヒント(動画)を見て、どういう仕組みか、想像してみてください。『どうなっているのかな?』と考える瞬間が、学びの始まりです。」
用意する材料
*プロの視点:ダンスを「ステキ」に見せる魔法
完成したダンサーを動かす時、後ろの土台が隠れるくらい「少し大きめ」に体を作ってあげることが、本物の人間のように見せるポイントです。「どんな曲に合わせて踊るかな?」と、好きな音楽をかけて発表会をしてみてはいかがでしょうか。
✂️作ってみよう!
STEP 1:土台を切り取ろう

引いた線に沿って土台になる部分を切り取ります。
1、牛乳パックにボールペンで切り取り線を引きます。
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指で押さえる幅:2〜3cm
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頭や手足をつける部分:約3cm
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線の通りに切り、点線部分を外側に組み開いて、ダンサーの「骨(土台)」が完成です!

土台ができたら少し動かしてみましょう。
土台ができたら、少し指で押して動かしてみましょう。
STEP 2:どんなダンサーにしようかな?
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人、動物、宇宙人? 楽しくイメージを膨らませてみましょう。
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上半身作り:頭と胴体をつなげて描き、パックの幅に合わせて貼ります。はみ出たパックは体に合わせて切り取ってあげると綺麗です。
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手足をつける:左右に腕を貼り、足はパックの「下に続く部分」に足のため切れ目を入れるのがのコツ!これで足の動きグンと良くなります
🎭ステキなダンサー、ダンス、ダンス!
完了したら、後ろの持ち手で動かし方を色々と練習してやってみましょう。
・動かした時、前から土台が見えず、少し大きめに体を作るのが「ステキ」に踊れるポイントです!
参考ブログ・・・
(素材別に楽しむアイデア)https://bluecaros.com/300.html
(四季折々を楽しむ季節のアート遊び)https://bluecaros.com/552.html
(年齢別の発育とアートの関係)https://bluecaros.com/129.html

本物の蓮や菩提樹の葉を切って貼ってからアクリル絵の具で着彩した作品


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